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柴田 勝之; 鬼沢 邦雄; Li, Y.*; 関東 康祐*; 吉村 忍*
Pressure Vessel and Piping Codes and Standards (PVP-Vol.480), p.235 - 242, 2004/00
ASME Code Sec.XIでは、クラス1機器に対してプラント寿命期間を通して健全性が確保できる微小き裂のスクリーニング基準として評価不要欠陥が規定されている。一方、確率論的健全性評価の観点から、評価不要欠陥は、き裂形状によらず破損確率が一様になるように設定されているか、寿命中を通して十分低い破損確率が確保されているか等の疑問がある。さらに、破損確率に基づけばより合理的に評価不要欠陥が設定できる可能性がある。本研究では、Sec.XIに規定された容器の評価不要表面欠陥について、確率論的破壊力学コードPASCALを使用して加圧熱衝撃下における破損確率を種々のアスペクト比について行い、評価不要欠陥の破損確率に関する検討を行った。解析結果から、評価不要欠陥を有する原子炉容器の破損確率は、初期欠陥のアスペクト比に依存し、特に半円に近い欠陥の場合、表面からき裂が発生しやすくなるため、破損確率が高くなることがわかった。さらに、破損確率がアスペクト比に依存しないように評価不要欠陥の設定を試みた。
中嶋 秀夫; 濱田 一弥; 奥野 清; 羽田 一彦; 多田 栄介
Proceedings of 10th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 10) (CD-ROM), 8 Pages, 2002/00
日本原子力研究所は、米国機械学会(ASME)の原子力圧力容器コードであるASMEセクションIIIのデビジョン4のコード・ケースとして、ITERの構造設計基準を作成する作業をASMEと共同で開始した。この基準は、ITERの各コンポーネントごとに特別に開発された技術,材料等を反映したこれまでにないコードとなる予定である。このうち、超伝導マグネットに関する基準では、原研が開発した極低温でも十分な靱性を有する新しいオ-ステナイト系ステンレス鋼(JJ1,JK2)を使用し、4Kの許容応力を耐力の2/3の値のみによって決定することなどを提案し、基準化を進める予定である。本論文では、このような新構造材料及び超伝導マグネットの運転上の特徴を考慮した設計手法の妥当性について述べる。
堺 公明; 森下 正樹; 岩田 耕司; 北村 誠司
JNC TN9400 2000-012, 43 Pages, 2000/03
サイクル機構では、温度計さや管の破損を防止する観点から、渦励振および乱流励振に対する評価方法を整備するとともに、それらの実験的検証を進めている。本試験研究は、配管内水流中の円柱の渦励振に関して、従来ほとんど報告が見当たらない構造減衰の影響を調べた試験データを取得し、設計基準等で採用している渦励振の回避・抑制条件の妥当性の検討に資することを目的としている。流力振動試験は、配管によるループを用いて、配管内に突き出した片持ち支持の円柱試験体について行った。円柱試験体は合計4体で、外観寸法が同一の円柱の内部に質・量の異なる粘性体を充填することにより構造減衰を変化させた。円柱試験体の換算減衰Cnは、それぞれ、0.49,0.96,1.23,2.22であった。無次元流速(Vr)が約0.7約5の範囲(Vr=1におけるレイノルズ数:約810の4乗)で流速を漸増し円柱の変位を測定した。その結果、換算減衰0.49および0.96の試験体は、無次元流速1以上において流れ方向振動が発生したが、換算減衰1.23および2.22の試験体は、振動は、直径の1%以下のレベルに抑制され、有意な渦励振は認められなかった。流れ方向および流れ直交方向渦励振の抑制条件として、ASMEボイラ・圧力容器規格SecIII,Appendix N-1300やサイクル機構の策定した「温度計の流力振動防止のための設計方針」に用いられている判定基準「Vr3.3かつCn1.2」は、本試験体系(配管内水流片持ち支持円柱)の範囲において概ね適切であった。
岩田 耕司
PNC TN9420 96-048, 10 Pages, 1996/07
1995年12月8日に発生した「もんじゅ」2次主冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明に関連して,ASME Codeにおける単一管の流力振動の防止指針についてまとめた。本報告では,防止あるいは抑制すべき渦励起振動のうち揚力方向振動とインライン振動を調査し不安定振動についてまとめた。またASME Code Sec.IIIApendix Nにおける動的解析法の取扱いについて調べた。
元木 保男; 羽田 一彦; 西口 磯春*; 馬場 治
JAERI-M 91-056, 44 Pages, 1991/03
高温工学試験研究炉の第1種機器のボルト等と炉心支持構造物のボルト等及び拘束バンドの高温構造設計に適用するために構造の規格を作成した。この構造の規格は通商産業省告示第501号、ASME B&PV Code Sec.III Div.1,ASME B&PV Code Case N-47,N-253-4及び「高速原型炉第1種機器の高温構造設計方針」を参考にしている。本報告書においては、使用材料の材料特性を検討するとともに、構造の規格を作成するに当たっての基本的な考え方を明らかにしている。規格の作成に当たり、使用条件の特徴である以下の項目を考慮している。・使用材料はボルト鋼のJIS SNB16とオーステナイト系ステンレス鋼のJIS SUS316である。・高温工学試験研究炉におけるヘリウム環境及び中性子照射効果は、これ等の材料強度にほとんど影響を与えない。・ボルト等及び拘束バンドは、通常運転時には非クリープ温度域で使用される。
西口 磯春; 橘 幸男; 元木 保男; 塩沢 周策
JAERI-M 90-152, 31 Pages, 1990/09
HTTRにおいては、その冷却材温度が最高約950Cとなり、軽水炉等と比較して高温で使用されるため、特に制御棒被覆管等の金属材料部は、その特殊性を考慮した設計を行う必要がある。このため、HTTRにおいては、制御棒を対象とする設計方針案を策定し、それに従って設計を進めている。具体的には制御棒被覆管、制御棒連結棒の制御棒金属材料部を対象とし、その構造健全性の評価法を定めている。本資料は、その基本的考え方についてまとめたものである。
千原 順三
Strongly Coupled Plasma Physics, p.315 - 328, 1987/00
高密度プラズマに不純物原子を入れて、それから生じるX線分光を通じて密度温度の診断が行われている。高密度プラズマに原子が混入したとき、その原子核のまわりのポテンシャルは、周辺のイオン・電子のために大きく変化し、電離度・束縛電子のエネルギー準位は、密度温度に依存する。これらの計算法はまだ確立していない。ここで密度汎関数法と古典液体で成功を修めているHNC近似を用いて水素プラズマ中のNeの場合の計算を行なった。1.610個/cm~210個/cm,1.610~1.610Kの密度温度領域でのLymonの変化などを計算した。
西口 磯春; 武藤 康; 辻 宏和
JAERI-M 83-224, 40 Pages, 1983/12
現在計画中の多目的高温ガス実験炉のような高温構造物の設計においては、疲労あるいはクリープ疲労による破損を防止することが要件の一つとなっている。設計基準の中ではこれらの破損を防止するために設計疲労曲線を用いた評価法が適用されるが、本報告は実験炉での使用が予定されているハステロイ-X(-XR)の設計疲労曲線について検討を加えたものである。ハステロイ-X(-XR)の文献疲労データ(一部は未発表データ)について検討した結果、全ひずみ範囲tを独立変数とし、破損繰返し数Nfに対してlog(log Nf)の変換を用いたBrinkmanらの式が適しているとの結論を得た。
羽田 一彦; 武藤 康
Bull.JSME, 26(221), p.1839 - 1848, 1983/00
文献データを基にしてハステロイXのクリープ構成方程式を作成した。また、作成したハステロイXのクリープ構成方程式に対して感度解析を実施した。その結果、以下のことが明らかになった。(1)クリープ構成方程式が異なることによるクリープ挙動の差異は小さくなく、設定上配慮を要する。(2)ASME Boiler and Pressure Vessel Code Case N-47のクリープ・疲労損傷評価指針に従って累積クリープ損傷を求める際に、クリープひずみ曲線の平均値を記述するクリープ構成方程式による非弾性応力解析結果を用いる方法は、クリープひずみ曲線のばらつきに起因するクリープ損傷量のばらつきを考慮すると、安全側な評価を与える方法とは言えない。
鈴木 一彦; 武藤 康
日本機械学会論文集,A, 49(439), p.293 - 303, 1983/00
文献データを基にしてハステロイXのクリープ構成方程式を作成した。また、作成したハステロイXのクリープ構成方程式に対して感度解析を実施した。その結果、以下のことが明らかになった。(I)クリープ構成方程式が異なることによるクリープ挙動の差異は小さくなく、設計上配慮を要する。(II)ASME Boiler and Pressure Vessel Code Case N-47の基準に従って累積クリープ損傷を求める際に、クリープひずみ曲線の平均値を記述するクリープ構成方程式による非弾性応力解析結果を用いる方法は、クリープひずみ曲線のばらつきに起因するクリープ損傷量のばらつきを考慮すると、安全側な評価を与える方法とは言えない。
鈴木 一彦
日本機械学会論文集,A, 45(399), p.1373 - 1382, 1979/00
定常機械荷重作用下で繰返し熱荷重を受ける構造物の挙動を決定する際に降伏応力の温度依存性に関する情報をどの程度必要とするかを、二本棒構造解析モデルについて検討した。その結果、大部分の荷重状態に対しては最高温度あるいは最低温度での降伏応力値のみにより挙動を決定できることが示された。しかし、ある荷重状態(たとえば低機械荷重)およびある温度依存性を示す材料では、これらの値に加えて、サイクル途中の温度域での降伏応力値ならびにその一階導関数の値が必要となることが明らかとなった。更に、二本棒構造での解析結果を円管に適用する際の有効性についても検討した。
谷川 尚; Gwon, H.; 河村 繕範
no journal, ,
開発に取り組んでいる固体増殖・水冷却方式のブランケットを対象として、筐体構造の健全性を評価した。表面熱負荷および中性子負荷に起因する応力が最も大きい第一壁に注目し、冷却水圧力を加えた荷重条件において、圧力容器構造基準であるASME Boiler and Pressure Vessel Codeにしたがって応力状態を評価した。一次応力の制限、一次+二次応力の制限、ひずみの制限などについて評価するとともに、許容値に関連して必要となる材料データを整理した。構造材料の候補である低放射化フェライト鋼(F82H)について、必要な材料データに対する取得および整備状況を分析した。F82Hのデータについては規格化された類似鋼である9Cr-1Mo-V鋼のデータと比較し、健全性評価手法の適用性について検討した。